コラム

元デザイナーのライターが考える「カッコ良いスマートフォン」論

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製品のデザインのカッコ良さとは、所有した人を満足させるモノというのが1番ストレートな定義ではないでしょうか。

例えばデジタルカメラのLeica CやスクーターのVespa946、ヘッドフォンならbeats by dr.dre STUDIO、どれもブランド力も相まって特別な価値観の持てる製品です。ブランドが製品を生むのか、優れた製品がブランドを育てるのか、どちらとも言えませんが、このような優れたデザインの製品を多くの人が欲するのは、誰もが認めるとこでしょう。

P1-leica C美しいデジタルカメラ「Leica C」

筆者はライターとして活動する前の職業はグラフィックデザイナーでした。そういった経歴のおかげで、他のライターさんより少しデジタルデバイスに対する視点が違います。むしろ「ズレている」といった方が正しいかもしれません。私のデジタルデバイスへの価値観は明らかに「高性能」よりも「プロダクトデザインのカッコ良さ」です。しかしこの価値観を表現者として文章にするのは大変むずかしいのです。何故なら、デザイン好き嫌いというものは十人十色だから。前例に上げたカメラやスクーターも「誰もが認める」とは書いたものの100人が全て「Yes」ではありません。「高性能」を「誰もが認める」と書くのは容易いと思います。高性能はデータとして検証し定義できるのです。

P2-infobara02INFOBAR A02は引き算デザイン

話が少し逸れましたが、スマートフォンも工業製品(プロダクト)です。ですから、プロダクトデザインの美しさ、カッコ良さが求められても良いと思います。
最近、私が優れたプロダクトデザインだと思ったスマートフォンはINFOBAR A02です。

2003年の誕生以来、携帯電話の常識を次々と革新させてきたINFOBARシリーズ。正直に言うとINFOBAR A01、INFOBAR C01はデザイン先行型で、スペックの満足できない「中途半端感」は否めませんでした。デザインと日常で満足できるスペックが両立できていない端末であったと言っても良いかもしれません。そして期待が薄れていたところに登場したのがHTC製のA02でした。
INFOBAR A02はINFOARシリーズのテイストを踏まえつつ、INFOBARシリーズの呪縛から解き放された端末でありました。A02は発表時にSNS上では多くの人に避難を浴びています「INFOBARらしくない」と。しかし私の感想は違いました。シンプルになって洗礼されたと感じたのです。それはINFOBAR A01からの「引き算デザイン」を感じたのです。

引き算デザインとは、私がデザイナー時代にデザインの究極だと思っていた、ある意味、哲学のようなものです。
当初はシンプルだったものが、時間とともに複雑になっていく例もめずらしくありません。自動車のマイナーチェンジによく見受ける傾向です。良いデザインの条件はコンセプトが明確。それはカタチやカラーだけで表現できる実にシンプルなものです。逆に悪いデザインは、何を言いたいのかよく分からないもの。後づけの要素に埋め尽くされて根本を見失っているものは悪いデザインだと私は思っています。

P3-nokiaXLNOKIA端末も引き算デザインだ

とは言え、あくまでこれは私の美的価値です。ガジェットに当てはめると「デザイン性ばかり追求し、機能性が伴っていない」「デザイン重視」といったものは直ぐに闇に葬られ、忘れられていきます。結局はガジェットのプロダクトデザインの良し悪しは「日常で使い続けても飽きのこないデザイン」が究極で、それこそが「所有を満足させる製品」なのではないかと思うわけです。そういった意味で「シンプルでカッコいいデザイン」もその1つということです。

なんだか言いたい放題、自分の端末に対するプロダクトデザイン論を書いてしましましたが、元デザイナーとして日本の端末メーカーが生き残っていくためには、この要素が今こそ必要なんではないかと、少し思っているのです。

 

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週刊アスキー、ITmedia、livedoorニュースなどでもお馴染みの地方ネタ系ITライター。週アスPLUSでは「レトロデジモノハンター」も好評連載中!

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